珍しい鳥居 ~伊香具神社(いかぐじんじゃ)~

滋賀県長浜市にある伊香具神社の鳥居は本当に珍しい形をしています。今までいろいろな神社を訪れてきましたが、ここの神社の鳥居はおそらく全国を探してもここしか見当たらないのではないでしょうか。

伊香具神社の鳥居

この鳥居が珍しいのは、両部鳥居三輪鳥居が組み合わさっている点にあります。

普通の鳥居は左右の柱によって支えられていますが、その柱を前後から補うように装飾的な構造物(稚児鳥居)が加わっている鳥居があります。いわば、普通の鳥居+稚児鳥居、これが両部鳥居です。有名なのは安芸の宮島(厳島神社)や福井県敦賀市の気比神宮ですが、近くを探してみても割に見つかることの多い鳥居の形です(両部とは密教の胎蔵界と金剛界を意味します)。近畿では他にも、大阪府藤井寺市の辛国神社、和歌山県高野町の丹生官省符神社(にうかんしょうぶじんじゃ)の鳥居がそうです。

普通、稚児鳥居は四本の柱によって支えられていますが(下の写真参照)、上の写真を見ると八本の柱によって支えられていることがわかります。この形は両部鳥居(≒稚児鳥居)でも珍しいと言えます。

福井県敦賀市の気比神宮の両部鳥居

また、三輪鳥居とは、二本の柱の外側にさらに小さな鳥居が加えられている場合です。左の柱の左横にはさらに小さな鳥居が、右の柱の右横にはさらに小さな鳥居があります。真ん中の大きな鳥居を合わせると三つになるので三つ鳥居とも呼ばれています。こちらの方は珍しく、奈良県三輪市の大神神社の拝殿奥の鳥居、その摂社の檜原神社、大阪市中央区の坐摩神社(いすかりじんじゃ)、牛嶋神社ぐらいではないか、と思います。

伊香具神社の鳥居は、めずらしい三輪鳥居と、稚児鳥居の柱が八本ある珍しい両部鳥居が合体したものです。鳥居一つとっても、神社は興味深いと思います。

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