建仁寺は、四条河原町から歩いて行ける所にある大きなお寺です。八坂神社ではないにしろ、外国の方や参拝客がよく訪れるお寺の一つとなっています。
開基は臨済宗を開いた栄西。そして、京都五山の第三位にあたる寺でもあり、海北友松(かいほうゆうしょう)や長谷川等伯なども縁のある寺となっています。
そんな大きな建仁寺ですが、その南端に塔頭(たっちゅう)の禅居庵があります。
ここのご本尊は、摩利支天です。ご本尊が摩利支天であるというお寺はかなり少ないのではないか、と思います。
摩利支天の「まりし」は元々、太陽や月の光をを意味します。つまり、陽炎(かげろう)を神格化した天部の尊格です。陽炎は実体がないので捉えきることができません。燃やすこともできなければ、水で湿らせることもできません。つまり、影の存在なのです。が、元来は光線ですから力は絶大です。
それゆえ、武田信玄の軍師であった山本勘介など武士の間に根強い人気がありました。
このお寺への参拝客は、あまり多くありません。
しかしながら、何とも言えない落ち着きのあるお寺なのです。
アフターコロナには、京都の街も多くの外国人観光客であふれかえると思いますが、ここはいつまでも良い意味で、静寂を保ってくれるような気がします。
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