「観音様」と言えば観音菩薩のこと。観音菩薩は6つに変化(へんげ)すると言われますが、六道(六道)のうち地獄道に堕ちた人間に救いの手を差し伸べるのが千手観音菩薩です。
千手観音菩薩像は名前には千手とついていますが、手の数をぱっと見ると千あるようには見えません。ほとんどの千手観音菩薩像は42手です。まず、体の前で合掌されている大きな手が二つ、残りは40本となりますがその1本ずつが25本に相当しますので、合掌されている二本の手(二臂(ひ))を除きますと、25×40で1000手となります。
実際に1000本の手を持つ、千手観音様はいらっしゃられるのでしょうか。全国でも数少ないようですが、大阪府藤井寺市にある葛井寺(ふじいでら)(西国三十三か所第五番札所)のご本尊、国宝・千手観音菩薩像は実際に1000本以上あることで有名です(公式サイトによると1041本)。
普段はガラス越しにしか見ることはできませんので見えにくいのですが、毎月18日に開扉(かいひ)され間近で見ることができます。5月になると境内には藤が咲き、横の喫茶室で抹茶などがいただけます。ここからの眺めは、本当に落ち着きます。
山門から南へ100mほど行った右側に、藤本酒造という古酒専門の造り酒屋があります。おおっぴらに宣伝していないので大阪府内の人でも知っている人はあまりいません。古酒好きの方が葛井寺にお参りした際は、ぜひ、立ち寄ってみられたらいかがかでしょうか。
<お寺データ> 葛井寺(西国三十三か所巡礼 第五番札所)
場所:大阪府藤井寺市1丁目16-11
ご本尊:国宝 千手観音菩薩像
特記事項:葛井寺山門より西へ30mほどいったところにある辛国神社(からくに)がありますが、ここの神社も素晴らしいです。
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