油断の意味

「油断」は、日常生活で気の緩んでいた時や注意を怠ったりしていた時に、よく使われる言葉です。みなさんは、この言葉の成り立ちをご存じでしょうか。

比叡山の根本中堂や厳島神社近くの大聖院などがそうですが、お寺の中には一千年以上、法灯(仏前の前の灯火)が消えることなく灯され続けているお寺があります。

灯は油がなくなると消えます。だから、このようなお寺では時間がくれば誰か(僧侶)が、油を注ぐ必要が出て参ります。

もし、その誰かがうっかりしていて油を注ぐのを忘れてしまえば、どうなるでしょうか。当然、灯は消えてしまいます。つまり、気が緩んで注がれるべき油が断たれてしまいますと、灯が消えてしまうわけです。

このことから、気の緩みや注意の怠りなどを意味するのに、油断という言葉が使われるようになりました。

一千年以上絶えることのない法灯は、我々も知らない誰かが、それが灯され続けるよう見張りをしていてくれていたおかげなのです。

今、世界では「持続可能な社会」という言葉がよく使われます。この言葉には、このまま突き進んでいきますと、世界は持続不可能な状態になってしまう、ということが示唆されています。

今まで、自然との調和が保たれ、地球において人類が暮らし続けていけるような環境が整っていたともいえるわけですが、これは、地球のシステムが正しく保たれるよう、大いなる御力(=神)が油断することなく、見張っていてくれていたからだと、思えてくるわけです。

大いなる御力に感謝し、自然と人類が調和できるよう、そのような思いを大切にしたいと考えています。

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