いよいよ「風の時代」となりました。今年は、昨年以上の変化や変革が起こり、ますます混迷をきわめていくと予想されています。内なる「神性」「仏性」を支えとし、今年を乗り切っていきましょう。みなさん、よろしくお願いいたします。
さて、新年の初めにご紹介する神社は、大阪府柏原市にある天湯川田神社(あまゆかわたじんじゃ)です。おそらく地元の人しかお参りしないであろう、地域に根づいた小さな神社です。
ただ、この神社の創建は不詳でかなり古くからあると考えられています。社伝では景行天皇十九年西暦90年です。主祭神の一つであられる天湯河桁命(あめのかわゆたなのみこと)については、日本書紀よると次のようなお話が語り継がれています。
垂仁天皇の御子である誉津別命(ほむつわけのみこと)は成人になっても喋ることができませんでしたが、そんなある日、白鳥を見かけられた誉津別命が「あれは何だ」と言葉を発せられました。喜んだ垂仁天皇がこの鳥を誰か捕まえるようお命じになったところ、天湯河裄命がその鳥を捕まえ誉津別命に献上しました。そして誉津別命は話すことができるようになった、というお話です。
昨年末、古代の「河内六寺」について記しましたが、最も南側にあったのが鳥坂寺。この神社の境内にその鳥坂寺の遺構(塔心礎と雨落溝)があります。つまり、この場所はまさしく鳥坂寺があった場所です(聖武天皇も孝謙天皇も来られたことが記録には記されています)。
境内は、JR大和路線と近鉄大阪線で囲まれたエリアの小高い山を上りきった所にあります。木々に囲まれているので、やや薄暗い感じがしますが、良い気に包まれておりすがすがしさが感じられます。
この神社の初詣はなかなか凄いです。元日からの三日間、初詣に来る人は誰でも本殿への玉串参拝ができるのです。
また、御神酒や甘酒のふるまいもあるのですが、小銭をお供えするための容れ物がありません。つまり、タダで御神酒をいただけるわけです。こんなありがたい神社は、全国でも少ないかと思います(もちろん、感謝の気持ちを込めて拝殿前でお賽銭をさせていただくのですが)。
みなさんも、近くの神社ではあるが、普段参拝しない神社に出かけてみるのも良い体験になるかもしれません。
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