全興寺(せんこうじ) ~地獄に行けるお寺~

太平洋戦争末期、大空襲の被害に遭った都市はたくさんあります。大阪も例外ではありません。大阪市内は被害が大きかったのですが、平野区は比較的その被害が少なかった町だと聞いています。今日ご紹介する、全興寺はその平野区にあります。

「おおさか十三仏霊場」の第七番札所にあたるこのお寺は、この霊場めぐりをする人か、平野区とその近隣の人以外には、あまり知られていないお寺かと思います。

しかし、このお寺の起源は飛鳥時代にさかのぼると言われ、聖徳太子がここにお堂を建てて薬師如来を祀ったのが始まりだとされています。

境内はあまり広くありませんが、この広くない境内にいろいろなものが見られる実にユニークなお寺なのです。

お寺の入り口(北口)

ここは商店街からの入り口となります。ここを通ると、正面が一願不動尊が迎えてくれます。左側右側は寺務所です。

本堂

南側に行きますと本堂があります。ご本尊は薬師如来。このお寺は「平野薬師」とも言われています。また、ここには地蔵首が祀られています。これは、大坂夏の陣でこの近く(樋尻口地蔵堂)を通った徳川家康を真田信繁(=幸村)が爆殺しようとした際、お地蔵様の首がここまで吹き飛ばされてきた、ことによるものです(家康は、偶然その場を離れていたので被害を免れました)。

小さな駄菓子屋さんの博物館

境内の北西あたりには、小さな駄菓子屋さんの博物館があります。ここには、このお寺のご住職が小さい頃に駄菓子やで集めたグッズが数百点あります。入り口は道路側(西側)にもあります。

「ほとけのくに」は、境内の地下にあります。階段を降りていきますと、多数の石仏に囲まれた空間があり(そこはあまり広くはないのですが)、曼荼羅が描かれたステンドグラスが床に敷かれています。ここに座って瞑想をできるようになっているのです。

いろいろとアトラクション的なものがたくさんある中、やはり「地獄堂」が一番インパクトがあります。お堂の中は地獄のように薄暗く、その中に閻魔大王や巨大な鬼がいるのです。閻魔大王の前のドラを叩くと、大王の声が聞こえ地獄の様子が映像で映し出されます。お堂の入り口には、10個の質問に答えることで、地獄行きか極楽行きかがわかる「地獄度・極楽度チェック」などもあります。

他にも「平野の音博物館」「おもろ路」など、見るべき所がまだまだあります。

「大阪のおもろいお寺」「寺のディズニーランド」とも呼ばれているこのお寺に訪れてみてはいかがでしょうか。

お寺
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