鳥居について(1) ~神明系鳥居と明神系鳥居~

「鳥居って、みな同じような形」と思っている方も少ないかと思います。

似ている人の顔はあっても、まったく同じ顔の人はいないのと同様に、鳥居もどれとして同じものはありません。

鳥居を、大きさ、色、形、材質、様々な装飾、それぞれのパーツの有無、といった点から見ると、それぞれ本当に違います。ですので、同じものはどれ一つとしてない、ということに気づくと思います。

先ほど形と記しましたが、鳥居は形から見ると大きく分けて、神明系鳥居(しんめいけいとりい)明神系鳥居(みょうじんけいとりい)の二つに分けられます。

左側の写真が神明系鳥居で、右側の写真が明神系鳥居です。どこが違うのでしょうか。

神明系鳥居(左)は明神系鳥居(右)に比べてシンプルですね。神明系鳥居と明神系鳥居の違う点は何でしょうか。

一つは、上部真ん中にかけられある名前を書いた額があるかどうかです。このことを額束(がくづか)と呼びます。神明系鳥居では、この額束がない場合が多いのです。

もう一つの異なる点は、一番上の横木です。明神系鳥居(右)は、二つの横木が重なっています。上木は笠木(かさぎ)と呼ばれ下木は島木(しまぎ)と呼ばれ、それらが積み重なっています。が、神明系鳥居(左)では、一本の横木つまり笠木(かさぎ)しかありません。

また、笠木の両側に注目して見ると、明神鳥居(右)では上に反り返っています。これを反り(そり)と呼んでいます。神明鳥居(左)では、この反りがありません(ただし、春日鳥居は、明神系鳥居の一種ではありますが、反りは見られないのが特徴です)。

上の二つの写真を比べると、上から二本目の横木(これは貫(ぬき)と呼ばれます)が、左右それぞれの(注)を突き抜けているか否か、という違いがあるのがわかります。ただし、神明系鳥居の一種である鹿島鳥居は、貫が柱の外側に突き抜けていますので、この違いが神明系鳥居と明神系鳥居を区別する点にはなりません。

(注)縦の木はと呼ばれています。少し内側に傾いているのが一般的ですが、護国鳥居のように、地面に対して垂直な場合もあります。

<神明系鳥居>
神馬鳥居、伊勢鳥居、鹿島鳥居、護国鳥居、宗忠鳥居など

<明神系鳥居>
明神鳥居、春日鳥居、八幡鳥居、住吉鳥居、山王鳥居、台輪鳥居など

これらの鳥居については、また別の所でご紹介いたします。

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