北畠氏館跡庭園(きたばたけしやかたあとていえん)は、前回ご紹介した北畠神社(三重県津市三杉町)の境内にある武家書院庭園です。国の名勝にも指定されています。
室町時代に伊勢国の国司であった北畠晴具の義父であった細川高国が作ったものです。高国は政治的駆け引きがうまく、決して良い人物だっとは言えないようですが、素晴らしく見事な池泉庭園を造りました。
まず、このような池泉回遊式庭園が、この時代に造られていたという点で貴重な存在です。また、大名庭園ほど大きくないこの規模の庭園の中に、米の字を象った「米字池」が造られているのも珍しいと言わざるを得ません。
紅葉の名所としても有名です。名城の一つとされている近くの霧山城も含め、秋に訪れてみるのはいかがでしょうか。
31代管領の細川高国は、歴史上有名な人物ではないと思います(少なくとも、ここを訪れるまでは私は知りませんでした)。彼が亡くなったのは摂津国大物の広徳寺、自害でした。今では、このお寺は近くの場所(JR尼崎駅の南側)に移されています。実は、このお寺は一度、お参りしたことがあったのですね。奥伊勢と尼崎がこのような形で、私の中でつながったことに、歴史の深さを感じることができた今回の訪問でした。
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