いろいろなお寺にお参りされる方であればご存じとは思いますが、一般的にはあまり聞いたことのない仏様か、と思います。
五劫の「劫(こう)」とは時間の単位ですが、その長さがきわめて長いのです。人間の感覚で言えば43億2000万年に相当するそうです。それが5つもあるわけですから、人間には想像も絶するほどの長さということになります。
この仏様は、それだけの長い間、人々が救われますようにと思っていた(思惟していた)阿弥陀様ということです。
写真を見れば一目瞭然ですが、このアフロヘアのような髪型が特徴です。
これは、阿弥陀様がとてもとても長い間、人間が救われることを祈り続けていたがために、髪の毛がここまで伸びたということなのです。
ご覧になられた方は、少ないのではないでしょうか。それもそのはずです。作例がほとんどありません。私が見たのは数カ所です。以下、ご紹介いたします。
まず、その名の通り、五劫院(奈良市御門町)。ご本尊が五劫思惟阿弥陀如来です。普段は一般公開されていませんが、予約すると拝観することができます。今年は8月1日~8月11日に特別公開される予定です。
それから、娘道成寺で有名な道成寺(和歌山県海南市)の阿弥陀如来像。住職さんによると、ここは檀家を持たないお寺で、珍しい仏様を安置すれば参拝者も増えるのでないか、ということで安置されたようです。
次は京都の金戒光明寺の石仏(写真)。これはお堂の中にあるのではなく、外にあります。この仏様の存在を知らなければ、そのままやり過ごしてしまうかと思います。
「みくが歩くirodori」さんによると、全国では十数カ所あるとか。逆にいうと、それだけ少ないということになります。
ご興味をもたれた方であれば、一度、お参りしてみてはいかがでしょうか。
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