飛行神社 ~天才技師二宮忠八が創建した神社~

石清水八幡宮(京都府八幡市)は平安時代からの格式ある神社ですが、そのすぐ近くに飛行神社はあります。

飛行神社は、名前の通り航空の安全を祈願する神社ですので、パイロットや海外旅行に行く人の参拝者が絶えません。

この神社がユニークな点は、鳥居がジュラルミン製であること。鳥居がこの素材でできているのは、ここだけかもしれません。

飛行神社のジュラルミン製の鳥居

この神社の創建は1915年と比較的新しく、建てたのは明治時代の天才技術者、二宮忠八(にのみやちゅうはち)です。忠八は日本で初めて飛行の原理を研究した人で、若くして動力付き模型飛行機の実験に成功しました。もし、この時、軍の資金援助があったなら、飛行機の発明者は、ライト兄弟ではなく忠八であったと言われています。

飛行機が発明されて以来、飛行機はまだまだ安全な乗り物ではありませんでした。次々と起こる飛行機事故や戦争で多くのパイロットたち亡くなることに心を痛めた忠八は、晩年、彼らの霊を悼むべく、神職の資格を取得し、私財を投じてこの神社を創建しました。

この神社には、忠八と飛行機に関連する資料を展示した二宮忠八資料館が併設されています。

また、この神社(の第三殿)には、日本薬学の父と呼ばれる長井長義博士の他、製薬業界のパイオニア(武田長兵衛、田辺五郎、塩野義三郎)となった人たちも祀られています。というのも、忠八は軍を退役してからは大日本製薬に勤めました。パイオニアたちと深く親交を持ち、役員まで務めたのです。

小さな神社ですが、教養知あふれる神社であると共に、飛行の神様が確かに鎮座されている立派な神社であると言えます。

<神社データ> 飛行神社 (石清水八幡宮から東へ100mほど)
場所:京都府八幡市八幡土井44
ご祭神:饒速日命(にぎはやひのみこと)
特記事項:授与所では、世界各国の航空会社のキーホルダーをいただくことができる(600円程度)。

お店情報:近く(石清水八幡宮鳥居の前には)には、名物の和菓子「やわた走井餅」の門前店がある。店内でいただくことができる。お参りに行かれたならば、ぜひ、寄ってみられたらいかがでしょうか。

やわた走井餅の店内
神社
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