東大寺の大仏(盧舎那仏)造立のきっかけは? ~河内六寺の話~

東大寺の大仏を見るために、世界から観光客が訪れるようになりました。

ご存じの方も多いと思いますが、この大仏様は聖武天皇(第45代天皇)が、名僧行基に命じて資金を集めさせ、9年の月日をかけて作られたものです。のべ260万人がかり出されたビッグプロジェクトでした。

なぜ聖武天皇はこの大仏様を都に建てようと思われたのか。当時、大地震や飢饉に見舞われた惨状つまり国難を仏の力を借りて乗り切ろうとして、その象徴のため仏(盧舎那仏)が必要と考えたから、だと言われています。

では、この大きな仏様、何かヒントになったもの(モデル)があったのでしょうか。

それが、河内国(現在の大阪府柏原市)にあった智識寺(ちしきじ)の大仏様でした。その見事さに惚れ込んでしまった聖武天皇が「大和国にも、同じものを作ろう」と決意されたのがきっかけだったのです。

当然、今はその大仏様は見ることはできませんが、当時、智識寺は大きなお寺でした。信貴・生駒山脈部の南端山麓(今の柏原市山麓)には、智識寺の他にも(北から)三宅寺、大県寺、山下寺、家原寺、鳥坂寺の立派なお寺がありました。

ただ今は、すべて廃寺となっていおり、智識寺や鳥坂寺に残されている礎石だけが当時の名残となっています。

耳よりの情報をお知らせします。このあたり一帯、柏原ワインの生産地(つまり、ブドウ畑)であり、のどかな風景を楽しむことができる散歩エリアとなっています。特に、おすすめしたいのは、空中散歩コース。標高50mあたりに山道(舗装されているが、ほとんど車が通らない)から、大阪平野を眺めながら歩けます。特に、桜のシーズンは圧巻です。ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか。

空中散歩コースからの桜風景

もうひとつ耳よりの情報です。石神社から風情のある細い路地を北へ約100m行ったところに「カタシモ ワイナリー」があります。不定休ですが、おしゃれな雰囲気の中、ワインやコーヒーなど頂くことができます。事前に営業しているか、確かめた方がよいでしょう。

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