京都の銭湯

今の日本で、自宅にお風呂のない家はほとんどないと思います。昔、町には必ず見かけた銭湯もどんどん廃業していき、今では見ることもずいぶん減りました。

10万人あたりの銭湯の数を比較した場合、政令指定都市ながら、上位にランクインする街があります。意外ですが、世界的観光都市である「京都」市です。

私は汗かきですので、京都の街歩きをした際には、ほとんどと言ってよいくらい、京都の銭湯に入ります。常連さんからすると見慣れぬ顔ということで、観光客であることは丸わかりなのですが、意外にも、私と同じく観光客として銭湯に来る人も少なくありません。

京都には、文化財的価値を持つ貴重な銭湯が多いのです。そういうこともあり、観光として銭湯めぐりをしている人もいるのでは、ないかと思います。

本日は、そのような魅力ある銭湯を二つをご紹介いたします。

一つは「錦湯」。名前の通り、あの錦商店街の近くにあります。建物自体が文化財的価値を持つものです。中に入ると、明治時代から使用されている脱衣箱。この脱衣箱の中にはカゴがあり、そこに衣服を入れて脱衣箱に入れます。そうしないと少し大変なことが起こります。実は、この脱衣箱、鍵はありますが、脱衣箱の奥の木壁がありません。つまり、カゴに入れないと、奥から衣服などが落下してしまうのです(だから、靴下が落ちています)。

錦湯

もう一つは「船岡温泉」、大徳寺とその塔頭(たっちゅう)をみて回って、船岡山に行こうとした際、偶然見つけました。それが船岡温泉です(温泉と名前はついていますが、水道水を沸かしているので普通の銭湯です)。しかし、ここは文化財の宝庫なのです。建物が登録有形文化財。中に入ると左甚五郎(透かし彫りで有名な江戸時代の匠)の透かし彫りが見られます。料金を払う台は一般的な番台ではなく、男女それぞれの扉の手前(つまり脱衣場の手前)にあります(スーパー銭湯方式)。扉をあけると、普通の銭湯のようにすぐに脱衣場があるのではなく、そこから廊下がのび、その廊下の片脇には鯉が泳いでいる池があるというもの。ただただ、驚くばかりです。ちょっとした旅館のような雰囲気なのです。

今回は、二つだけご紹介させていただきましたが、京都には他にも文化財的価値のある銭湯があります。

京都散策をした後は、銭湯で一湯浴びていくのも悪くはありません。

京都
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