仏像の並べ方(2) ~三世仏(さんぜぶつ)~

三尊像は、如来を中心にして両脇侍(わきじ)に二体の菩薩が並ぶ並び方でした。そしてこの前、如来の種類によって、組み合わさる菩薩も異なるという話をしました。

2021-02-07

本日は、同じ三体の仏様でも、そのような三尊像とは異なる三世仏の話をして参ります。

三世仏とは、過去仏現世仏未来仏のことです。過去は荘厳劫、現在は賢劫、未来は星宿劫ともよばれます。それぞれの時代には千の仏が住まうといいますが、それらの仏を代表する仏(如来)が、三世仏となります。三世仏は以下のように決まっています。

過去仏:迦葉仏(かしょうぶつ)あるいは釈迦如来
現世仏:釈迦如来あるいは阿弥陀如来
未来仏:弥勒如来

三世仏は絵画では多いと言われますが、仏像で見ることができるお寺はかなり限られていると思います。

代表的なのは、京都市東山区にある泉湧寺(せんにゅうじ)です。仏殿では向かって右から運慶作の阿弥陀如来(現世)、釈迦如来(過去世)、弥勒如来(来世)を見ることができます。

運慶作の三世仏が安置される泉湧寺仏殿

<お寺データ>
泉湧寺 (アクセス:JR「東福寺駅」 京阪電車「東福寺駅」より東へ徒歩15分)
場所:京都府東山区泉湧寺山内町27
特記事項:天皇家と関係の深いお寺です。大門をくぐり、すぐ左奥のお堂に「楊貴妃観音」(聖観音)が安置されています。楊貴妃のようにたいへん美しいお姿なので、そのように呼ばれてます。湛海律師(たんかいりっし)が、中国から請来してきたと言われています。

仏像
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