九品寺の九品の意味

奈良県御所市に九品寺(くぼんじ)というお寺があります。葛城山の麓にあり、楚々とした良いお寺です。一見、境内は広くないように感じられますが、本堂の裏手に行く小道があり、そこをたどっていくと、奈良盆地が見渡せる裏山にのぼることができます(ここでは、なんと1600以上の千体石仏が見ることができます。境内は意外に広い)。

九品寺(奈良県御所市)

さて、この九品(くぼん)の意味するものは、どういうものでしょうか。

仏像はいろいろな手の形(ポーズ)をとります。右手の掌(てのひら)を人々の目の前にかざすようなお姿や、両手の先をお腹の前で組むようなお姿などがそうです。また、大日如来のように左手の人差し指を立ててその人差し指を上から右手で包み込むという場合もあります。このような手のポーズや指の組みあわせ方を印相(いんそう)と呼んでいます(大日如来の場合先ほどの智拳印が多い)。

阿弥陀如来像の場合、印相は基本的に上品上生(じょうぼんじょうしょう)から下品下生(げぼんげしょう)までの九つのどれかをとります。迷える衆生をお救いになる時、その人の生前の行いにより、救いのお姿が最高ランクの形である上品上生から最低ランクの下本下生までのどれかをとるとのことです。

印相が9種類になるのは、指の組み合わせ方である三通り(上品・中品・下品)と、両手のポーズの三通り(上生・中生・下生)を組み合わせる(掛け合わせる)ことによって9つとなります。

 上品:親指と人差し指で小さな輪を作る。
 中品:親指と中指で小さな輪を作る。
 下品:親指と薬指で小さな輪を作る。

 上生:座禅のようにお腹の前で、両手の先を組み合わせる。
 中生:胸の前に両手を上げて、掌を前に向けている。
 下生:右手の上にあげて(掌を前に向ける)、左手を下に垂らす(掌を前に向ける)。
        (写真やイラストがなく、わかりにくく申し訳ありません)

上生(じょうしょう)中生(ちゅうじょう)下生(げしょう)
上品(じょうぼん)上品上生(1)上品中生(2)上品下生(3)
中品(ちゅうぼん)中品上生(4)中品中生(5)中品下生(6)
下品(げぼん)下品上生(7)下品中生(8)下品下生(9)
九品の種類 (カッコ内の数字は救いのランクを意味する)

多くの寺で様々な阿弥陀如来像を見て参りましたが、坐像の場合は上品上生が多く次いで上品下生、立像(りゅうぞう)の場合は上品上品がほとんどです。つまり、ほとんどの阿弥陀如来は、上品上品か上品下生でした。

熱烈な阿弥陀信仰者であった快慶ですが、立像の場合ほとんどが上品下生です。が、まれに中品下生の作例を残しています(奈良国博の快慶展で見たことがあります)。また、どこかのお寺かは忘れましたが、中品上生の仏様を見たことがありました(いつもとは異なるものを見れば、少し楽しくなります)。

世紀の超極悪人でも下品下生で救って頂けるとか、普通の人であれば上品下生でのお迎えとのことです。(阿弥陀様を前にした場合、本当は何も頑張らなくてもよいのですが…)頑張って上品上生でお迎えに来ていただきたいものですね。

仏像
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