このお寺へのお参りは二度目です。前回、訪れたのは約5年半前、西国薬師49か所の札所巡りということでした。今回は東海不動36尊の第24番札所ということでのお参りとなりました。
ここは、空海の国内の師である勤操(ごんぞう)が774年(まさしく空海が生まれた年)に開山したお寺です。
境内の奥地には、16柱の神様をお祀りする丹生神社があります。このお寺の正式名称は、女人高野山丹生山神宮寺成就院で、神宮寺という寺号が示す通り、完璧な神仏習合のお寺でもあります。
空海は、修行の場を求めて各地を歩く中で、自らの霊力をもって水銀や地下水を掘り当てたのは有名な話ですが、丹生という言葉が示す通り、このあたりも水銀の産地でした。
その空海が813年(40歳)に伊勢神宮に参拝される途中ここに立ち寄られた際、このお寺が師の勤操の開基であることを知り「この地に諸堂を建立し、庶民の苦悩を救わん」という思いから、七堂伽藍(不動堂・鐘楼堂・閣魔堂・地蔵堂・観音堂・薬師堂・大師堂)を建立されたのです。
大師堂への階段と、全国でも珍しい屋内階段。この屋内階段は、永平寺のように伽藍の一部ではない単独の構造物という意味では唯一かもしれません。
大師堂の御本尊は「弘法大師像」ですが、衆生の厄除と未来の結縁のために、寺院内の池に写された姿を自らが刻まれたものだと言われています。
不動堂はこちら。今回、東海36不動尊24番札所のお参りで来ました。
右が薬師堂で、左が観音堂です。
今回は、奥伊勢にある古刹、丹生大師をご紹介いたしました。
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