「幸せな子」を育てるのではなく、どんな境遇におかれても「幸せになれる子」を育てたい。
これは上皇后陛下の御言葉です。
このような言葉は恵まれた境遇の人だから言えるのだろう、と考える人はほとんどいないか、と思います(少なくとも、このブログの読者であれば)。
日本漢方研究所の斎藤一人(ひとり)さんは、このようにも言います。「不幸は感情であるが、幸福は意志である」と。そして、この言葉に続き「(幸福のスイッチを入れるように)幸福の方を自分で向く必要がある」と説いています。
「(幸福のスイッチを入れるように)幸福の方を自分で向く 」とは、どういうことなのでしょうか。
私はある礼拝堂で、以下のような講和を行ったことがあります。その内容を大雑把に記しますと、
人は一般的にこれが叶えられると(この欲望が満たされると)幸せだと思い、そしてまた別の欲望が叶えられると、またそれとは違う別の欲望を叶えたいと願う。しかも、その状態がずっと続くことが幸せだと感じている。
しかし、どんな人も自分の望むすべての欲望が叶うわけはありませんし、まして、その状態が続くというのはあり得ないことです。
すべてを手に入れた、というセレブや有名人でも、いつかは時の流れという無常に飲み込まれてしまいます。
実は、幸せを得るための条件と幸せの状態は異なるのです。前者は願望の充足ですが、後者は心理的な状態なのです。心理的な状態は、条件とは切り離されて成り立つことができるのです。多くの人はきづけないようですが、幸せを得るための条件が満たされなくても、幸せの状態を感じることは可能なのです。
多くの智者の「幸せは求めるものではなく、気づくものである」という言葉のように。
斎藤一人さんは「幸せの状態のスイッチを常に入れておきなさい」ということを言いたかったのだと私は思います。
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