以前、三つ鳥居の話をしたことがありました。普通の鳥居の左右両脇に少し小さめの鳥居が並ぶもので、大神神社や桧原神社(ひばらじんじゃ)などで見ることができます。
本日、お話する三柱鳥居は、上で述べた三つ鳥居のことではありません。鳥居を真上から見た場合、正三角形となる鳥居のことです。
どのような構造をしているのかというと、下の写真にあるように、三つの鳥居が60度の角度で組み合わさっている立体的な鳥居です。この写真は、大神教本院(奈良県桜井市三輪)の摂社である三輪稲荷大明神社なのですが、ここを含めても全国で見ることができる場所はかなり限られています。
元来は、京都市太秦(うずまさ)にある木嶋神社にある三柱鳥居と伝えられています。その鳥居は境内にはありますが、きわめて神聖なものとされているのか、柵が施されその外側からしか見ることはできません。しかし、本当にトライアングルな鳥居となっています。
後、南禅寺(京都市左京区)の塔頭である大寧軒の庭にあるとされていますが、非公開なので一般の人は見ることはできません。他には東京都に一つ、徳島県、岐阜県、長崎県に二カ所ずつあるくらいで、たいへん珍しいものとなっています。
この鳥居には、四つの出入り口があります。人が出入りできる三つ、もう一つは上部のある正三角形の出入り口。これは「天の力」の出入り口となります。地面は「地の力」の出入り口となるので、これは「天の力」「地の力」「人の力」が集まるエネルギー循環装置なのです。
上部の入り口より天の気の力を集める、そして三本の柱の三つの間から放出される。また、地の不浄な気は、三本の柱の三つ間から吸収され、上部の出口より放出される。そんな鳥居です。
この不思議な鳥居を実際に見たいとは思いませんか。
コメント