密教では五つの智慧があると言われています。
その五つとは、法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智を指します。
この5つを体の如来にあてはめたものが、五智如来であり、金剛界五仏とも呼ばれています。五つの仏は、大日如来、阿閦如来(あしゅく)、宝生如来(ほうじょう)、阿弥陀如来(=無量宝珠如来)、不空成就如来です。
四天王(持国天・増長天・広目天・多聞天)がそれぞれの方角を守護しているのと同様に、五智如来も配置される方角があります。
大日如来は中央、 阿閦如来は東、宝生如来は南、阿弥陀如来は西、不空成就如来は北です。
阿閦如来如来は薬師如来、不空成就如来は釈迦如来を表すとも言われています。それに従って、上の図を書き換えますと、以下のようになります。
このような配置を示すお寺は、真言宗や天台宗などのお寺に限られますので、あまりお目にかかることはありません。しかしながら、たまに出会うこともあります。その一つが、コスモスで有名な般若寺(奈良県奈良市)です。以下の写真の仏塔は大日如来を表しており、その土台の四つの方学に、それぞれの四つの如来の名前が書かれています。
本日は、五智如来の話でした。
コメント